2008年に登場した3代目。R.S.がさらに完成度を高め、『R.S. 275 Trophy-R』は2014年にニュルブルクリンクでFF最速を記録。走り好きの憧れとなった。
ルノーの中核を担うCセグメント、その三代目にあたるのがこのメガーヌである。曲面を多用したボリューム感のあるボディは、それまでの幾何学的で個性の強い二代目から一転し、塊感と落ち着きを前面に出した造形へと舵を切った。室内も樹脂やスイッチ類の手触りが見直され、堅実な仕上がりへと底上げされている。日本に正規導入されたのは主にスポーツモデルのルノー・スポールで、軽快さよりも地に足のついた接地感を身上とする乗り味は、フランス車らしい懐の深さを感じさせるものだった。
メガーヌの名は1995年に初代が登場して以来、ルノーの基幹車種として受け継がれてきた。二代目は奇抜なリアまわりのデザインで話題を呼び、2003年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。三代目は2008年9月に発表され、同年10月に5ドアハッチバックとクーペが欧州で発売された。2009年6月にはワゴンのスポーツツアラーが加わり、セダンや電動格納式ハードトップのクーペカブリオレも展開するなど、一つの車名で幅広いボディを抱える構成が取られた。
欧州では大衆ハッチバック市場の主力として、フォルクスワーゲン・ゴルフやフォード・フォーカスと並ぶ存在に位置づけられていた。ガソリンのTCe、ディーゼルのdCiといった多彩なパワーユニットを揃え、実用車として堅実な評価を得た一台である。
数あるバリエーションのなかでも、日本での三代目メガーヌの顔となったのがルノー・スポールだった。2010年に登場したこの世代のルノー・スポールは3ドアハッチバックのみの設定で、2リッター直列4気筒ターボを積む生粋のホットハッチである。ニュルブルクリンクでの速さを徹底して追い込んだ開発姿勢でも知られ、軽量化を施した「275トロフィーR」は2014年に当時の市販前輪駆動車最速となる7分54秒36を記録した。
兄弟関係を見ると、メガーヌはルノーのCセグメントを担う中核であり、その下に小型のクリオ(日本名ルーテシア)が控える。三代目はすでに販売を終えた過去の世代であり、現在は中古車として流通する。とりわけ高性能なルノー・スポールは、前輪駆動スポーツの一つの到達点として、いまも独特の存在感を保っている。フランス車の走りに関心を持つ人にとって、その歴史を知るうえで外せない一台といえる。
| エンジン | 2.0L 直4ターボ(R.S.) |
| 最高出力 | 250〜275ps(R.S.) |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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