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BMWやメルセデスEクラスと肩を並べるEセグメントのセダン。ルーブル・ピラミッドをモチーフにしたテールランプと277mmのリアレッグスペースが、最上級の「移動の贅沢」を約束する。
DSオートモビルが頂点に据えるラグジュアリーセダンが、このDS 9である。全長4,940mm、ホイールベース2,895mmという堂々とした体躯はメルセデス・ベンツEクラスと同じEセグメントに属し、ドイツ勢が築いてきた高級サルーンの価値観とは異なる立ち位置を狙っている。クロームのスタッズを散りばめたフロントまわりや、後席まで配慮の行き届いた内装の仕立て、フランスの音響ブランドFOCALと共同開発した515Wのサウンドシステムなど、性能の数字よりも所有する歓びや居心地に重心を置いたつくりが、この車の個性となっている。
車名のDSは、1955年のパリショーで世界を驚かせたシトロエンDSへのオマージュである。フランス語で「女神」を意味するデエスと同じ響きを持ち、ド・ゴール以降の歴代大統領が公用車として用いた歴史を背負う名でもある。DSは2014年にシトロエンから独立した高級ブランドとして歩み始め、DS 9はその系譜の頂点に立つフラッグシップとして開発された。
DS 9は2020年に発表された。本来はジュネーブモーターショーでの披露が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響でショー自体が中止となり、オンラインでの発表に切り替えられた経緯を持つ。プジョー・シトロエン由来のEMP2プラットフォームを用い、生産は中国で行われている点も、この時代のDSブランドの事情を映している。
日本へは2022年3月17日に発表され、4月9日から正規ディーラーで販売が始まった。パワートレインは二本立てで、ガソリン車は1.6リッターのPureTechターボ(最高出力225ps、最大トルク300Nm)を搭載。これに加えて、エンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドのE-Tenseも用意され、静かにモーターだけで走る時間を持てる点が、このクラスのフランス車らしい味付けとなっている。グレードはRIVOLIとOPERAが基本で、価格はおよそ630万円から787万9000円までとされる。
欧州ではPHEVのE-Tenseに新たなグレードが追加されるなど、電動化の流れに沿った展開が続けられてきた。もっとも、走りそのものは速さや刺激を競うタイプではなく、長距離を穏やかに流すことを得意とする一台として受け止められている。ドイツの高級セダンが持つ精密さとも、日本車の手堅さとも違う、フランス流のもてなしと美意識に惹かれる人にとって、DS 9は数少ない選択肢の入り口となりうる存在だ。
| 新車価格帯 | 630〜788万円 |
| ボディサイズ | 全長4,940 × 全幅1,855 × 全高1,460mm |
| ホイールベース | 2,895mm |
| 車両重量 | 1,640kg |
| エンジン | 1.6L直4ターボ / PHEV |
| 最高出力 | 225〜225ps(システム) |
| 変速機 | 8速AT |
| 駆動方式 | FF |
| 燃費(WLTC) | 15.7km/L |
| 乗車定員 | 5名 |
| 荷室容量 | 510L |
※輸入元の公式情報を基に編集部が掲載しています
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