ハイドラクティブ・サスペンションによる滑らかな乗り味を備えた大型サルーン。セダンとツアラー(ワゴン)で、フランス流の快適セダンを体現した。
クロームで縁取られたダブルシェブロンを掲げた堂々たる顔つきに、骨太でありながら流れるようなボディ。2代目C5は、それまでのシトロエンが持っていた個性的なデザインを、ドイツ車を思わせる端正なディテールへと整理した一台だった。とりわけ際立っていたのが、ハンドルを切ってもセンターパッドが回らない固定式ステアリングと、窒素ガスとオイルで路面のうねりを吸い込む油圧サスペンション「ハイドラクティブ3プラス」である。速度や路面、乗員の状況に応じて車高と減衰を自動で変える独特の仕掛けが、シトロエンらしい滑らかな乗り味を生んでいた。
Cセグメントを担う初代を経て、この2代目は2008年1月のブリュッセルショーで発表された。プラットフォームや足まわりは、当時のフラッグシップであった高級サルーンC6と多くを共有している。日本へは同年10月に上陸した。シトロエン伝統のハッチバック式サルーンではなく、トランクを持つ3ボックスのノッチバックセダンとした点も、この世代の新しさだった。
欧州では、セダンに加えて積載性に優れたワゴン「ツアラー」が用意され、約10年の販売期間で世界におよそ63万5000台、うち欧州で約43万5000台が顧客のもとへ渡った。ただし末期の2016年には欧州での販売が年1万台を下回り、油圧サスペンションは高い製造コストと需要の減少を理由に、2017年のC5生産終了とともにその歴史を閉じている。
日本仕様のセダンには、2.0リッターに4速ATを組み合わせた「2.0」と、3.0リッターV6に6速ATを積む上級の「3.0エクスクルーシブ」が設定された。新車価格はおよそ399万円から494万円。アッパーミドルの輸入セダンとして、スポーティさよりも快適性と独自の世界観で勝負する性格づけがなされていた。
兄弟関係をたどれば、足まわりを分け合うC6が頂点に立ち、プラットフォームの上ではプジョー407とも近い間柄にある。現在は中古でしか出会えない一台だが、油圧サスペンションを味わえる最後のC5として、シトロエンの乗り味に関心を持つ人にとっては入り口になりうる世代だ。
| ボディサイズ | 全長4,779 × 全幅1,860 × 全高1,479mm |
| エンジン | 1.6L 直4ターボ / 2.0L 直4ディーゼル |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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