大きく傾斜したゼニス・フロントガラスが開放感を生んだ2代目C3。やわらかな乗り味と気取らない雰囲気で、シトロエンらしさを身近にした。
シトロエンのコンパクトカーとして親しまれてきたC3の二代目は、頭上まで回り込む大きなフロントガラス「ゼニスウインドウ」を最大の個性とする一台だった。視界が前方上方へと大きく開けることで、3,955mmという小ぶりな車体にもかかわらず、室内には数値以上の開放感が生まれていた。柔らかな当たりの乗り心地と、肩肘張らない居住まいは、フランス車らしい寛ぎを身近な価格帯で味わわせてくれるものだった。
C3の名は2002年、サクソの後継として登場した初代に始まる。丸みを帯びた愛らしい姿で支持を集め、屋根を多彩に開けられる派生車「C3プルリエル」も生まれた。二代目は2009年6月に発表され、同年秋のフランクフルトモーターショーで正式にお披露目された。プレミアム志向の三ドア車として枝分かれしたDS3も、この世代と近い時期に登場している。
欧州ではBセグメントの実用車として堅実な地位を保ち、二代目を通じておよそ110万台が生産されたとされる。派手さよりも快適性と個性で選ばれる立ち位置は、この世代でも変わらなかった。
日本へは2010年5月に上陸した。搭載されたのはPSAとBMWが共同開発した1.6リッターの直列4気筒エンジンで、4速ATと組み合わされた。ゼニスウインドウは日本仕様では全車に標準装備となり、グレードはベースのセダクションと、内装の質感を高めたエクスクルーシブが用意された。新車価格はおよそ218万円から251万円ほどであった。
2013年、二代目はジュネーブモーターショーで改良型を披露する。シトロエンのダブルシェブロンを刷新し、バンパーにLEDのデイタイムランニングランプを与えるなど表情を整えるとともに、軽量で燃費に優れる3気筒のピュアテックエンジンが導入された。
同じ世代を土台に、より華やかな仕立てを与えたのがDS3だった。今では中古車でしか出会えない一台だが、ゼニスウインドウがもたらす独特の明るさと、肩の力が抜けた乗り味は、フランス車に初めて触れる人にとって、その世界をやさしく知らせてくれる入り口でありえた。
| ボディサイズ | 全長3,941 × 全幅1,728 × 全高1,510mm |
| エンジン | 1.2L 直3・1.6L 直4 |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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