407の後継として登場した初代508。堂々としたセダン/ワゴンのボディに上質な走りを備えた、当時のプジョー・フラッグシップ。
プジョーのラインアップで最上級に位置づけられたサルーンが、初代508である。流麗なルーフラインを持つ4ドアセダンと、荷室を広げたステーションワゴンのSWを軸に展開し、上級車らしい落ち着いた佇まいと、フランス車ならではのしなやかな乗り味を併せ持っていた。派手さで押すのではなく、長い距離を淡々と心地よく走らせることに価値を置いた一台だった。
車名の成り立ちには、プジョーの大きな再編がある。それまで中型セダンを担っていた407と、大型セダンの607、この二つの系譜を508が一手に統合した。500番台のモデルとしては、1991年末に生産を終えた505以来の復活でもあった。初代508は2010年のパリモーターショーで発表され、欧州での販売が始まった。
欧州ではプジョーのフラッグシップとして、ファミリーカーやビジネスサルーンの選択肢に位置づけられた。Euro NCAPの衝突安全試験では2011年に最高評価の5つ星を獲得している。動力面では、ディーゼルと電気モーターを組み合わせたHYbrid4を設定した点が時代を先取りしていた。後輪をモーターで駆動する方式により、状況に応じて四輪駆動として走れることも特徴だった。
日本には2011年7月に上陸した。当初導入されたのは1.6リッターの直噴ターボガソリンに6速ATを組み合わせた仕様で、セダン、SWともに用意された。価格はおよそ365万円から434万円。のちの2016年7月には、2.0リッターのクリーンディーゼルBlueHDi(180ps)を積む508GT BlueHDiも加わり、力強いトルクと低燃費を両立する選択肢が増えた。
2014年には大きな改良を受けて後期型へと移行する。フロントマスクが刷新され、プジョーのライオンを中央に掲げた縦型のグリルと、より精悍な表情を得た。フルLEDヘッドランプも設定され、内外装の質感も引き上げられている。日本ではこの後期型が2015年から導入された。
現在は中古車として流通する一台だが、フラッグシップらしいゆとりと、フランス車特有の乗り味を比較的手の届く価格で味わえる存在といえる。二代目508が大胆なデザインで注目を集めたのに対し、初代は端正で控えめな佇まいが持ち味だった。落ち着いたセダンやワゴンでフランス車に触れてみたい人にとって、ひとつの入り口になりうる世代である。
| ボディサイズ | 全長4,750 × 全幅1,853 × 全高1,456mm |
| エンジン | 1.6L 直4ターボ / 2.0L 直4ディーゼル |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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