3列7人乗りのミニバンとして登場した初代5008。スライドドアは持たないが、広い室内と柔軟なシートで家族の道具になった。
プジョーが初めて手がけた三列シートのMPVが、この初代5008である。全長4,529mm、全高1,647mmという背の高いワゴンに近いシルエットのなかに、大人も座れる三列目を含む7人分の居場所を確保した。頭上を覆う大きなパノラミックガラスルーフが室内を明るく満たし、運転席前方には速度などを小さなスクリーンに映し出すポップアップ式のヘッドアップディスプレイを備える。実用一辺倒のミニバンとは少し違う、軽快さと遊び心を併せ持ったキャビンが、この車の個性となっている。
5008は2009年に欧州で登場した。同年に発表された初代3008と基本構造を共有し、シトロエン・グランドC4ピカソとも部品を分け合う関係にある。英国の自動車誌What Car?では2010年のMPV・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、ファミリー向けの一台として早くから評価を得ていた。
欧州では2013年にマイナーチェンジを受け、グリルとLEDのデイタイムランニングランプを備えた新しいヘッドライトで表情を整え、エンジンには3気筒のピュアテックや新世代ディーゼルのブルーHDiが加えられた。本国では実用的なディーゼルを軸に、堅実なファミリーカーとして長く支持された。
日本へは2013年2月25日に上陸した。プジョーブランドとして国内に導入された初のミニバンであり、グレードは「プレミアム」と「シエロ」の二本立て。いずれも1.6リッター直列4気筒ターボ(最高出力156ps)に6速ATを組み合わせ、前輪を駆動した。新車価格はおよそ330万円から362万円であった。
兄弟分にあたるのが、二列シートのコンパクトクロスオーバー3008である。5008はそれをひと回り伸ばし、三列目を与えたファミリー寄りの存在だった。なお5008の名は2017年の二代目で性格を大きく変え、三列シートSUVへと姿を改めている。背高ワゴンの形をまとったMPVは、この初代だけの個性であり、フランス車らしい明るいキャビンを求める人にとって、中古車市場で今も気になる一台といえる。
| ボディサイズ | 全長4,530 × 全幅1,835 × 全高1,640mm |
| エンジン | 1.6L 直4ターボ / 2.0L 直4ディーゼル |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 7名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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