i-Cockpit(小径ステアリング+上方メーター)を初採用した初代208。軽快なハンドリングと凝縮感あるデザインで、現行へと続くスタイルの礎を築いた。
プジョー208の初代は、それまでの207から大きく舵を切った一台だった。前後のオーバーハングを切り詰めて全長を短くしながら、ホイールベースは確保するという作りで、見た目にも引き締まった印象を与える。室内には、小径のステアリングとその上端越しに見上げるメーターを組み合わせた運転環境が初めて与えられた。のちにi-Cockpitと呼ばれるこの独特の配置は、初代208から始まったプジョーのアイデンティティであり、コンパクトカーながら運転席に座った瞬間の個性を強く印象づけた。
車名は205、206、207と続いてきたプジョー製Bセグメントの系譜にある。初代208はその四代目にあたり、欧州では2012年に登場した。3ドアと5ドアのハッチバックが用意され、開発コンセプトには「リ・ゼネレーション」が掲げられていた。
初代208は欧州で大きな成功を収めたモデルである。スーパーミニと呼ばれるこのクラスの激戦区にあって、年間の販売がたびたび20万台規模に達し、プジョーの屋台骨を支える存在となった。生産はスロバキアやフランスの工場で行われ、2019年に二代目へと世代交代するまでのおよそ7年間、欧州市場で安定した人気を保ち続けた。
日本へは2012年11月に上陸した。当時の新車価格はおよそ202万円から375万円。導入初期には1.6リッターエンジンに4速ATを組み合わせた仕様があり、その後は1.2リッター直列3気筒の自然吸気エンジンとクラッチを自動制御するETG、さらに1.2リッターターボとアイシン製6速ATへと、より扱いやすい組み合わせへ移っていった。スポーツグレードのGTiは2013年5月に追加され、1.6リッター直噴ターボで200psを発生する、シリーズでも力の入った一台だった。
2015年には改良を受ける。日本では同年10月に導入され、フォグランプを分離させた新デザインのバンパーや新しいグリル、ツートーンのヘッドランプ、3DタイプのLEDリアランプを採用して表情を整えた。内装には7インチのタッチスクリーンやレザー巻きのステアリングが加わり、アイドリングストップやアクティブシティブレーキといった装備も拡充されている。GTiは「GTi by プジョースポール」へと進化し、出力は208psへ引き上げられた。
中古車として見ると、初代208は個性的な運転環境と引き締まったデザインを比較的手頃な価格で味わえる世代である。現行型につながるi-Cockpitの原点を知るうえでも興味深く、フランス車に最初に触れてみたい人にとって、ひとつの入り口になりうる一台だ。
| ボディサイズ | 全長3,962 × 全幅1,739 × 全高1,460mm |
| エンジン | 1.2L 直3 / 1.6L 直4(GTi) |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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