206の後継として質感と安全性を高めたコンパクト。ふくよかなボディと猫足の乗り味で、日常の相棒として親しまれた。
プジョーのBセグメントを担う一台として、207は先代の206よりもひとまわり成長したボディと、丸みを帯びた大きなヘッドランプを持つ穏やかな顔立ちでまとめられている。全長は4mほどに収まり、街中での扱いやすさを保ちながら、室内や荷室には余裕が生まれた。軽快さよりも、しっとりとした乗り味と道具としての落ち着きに寄った世代であり、フランス車らしい足まわりの懐の深さがこの車の個性となっている。
車名は205、206と受け継がれてきたプジョー製小型車の系譜に連なる。207は2006年にジュネーブ・モーターショーで発表され、同年から生産が始まった、206の後継モデルにあたる。シトロエンC3と基本骨格を共有し、フランスのポワシーをはじめ、スペインやスロバキアの工場でつくられた。
欧州ではプジョーの主力小型車として広く受け入れられ、生産期間を通じて累計でおよそ150万台が販売された。とくに英国市場での人気が高く、2007年には新車販売の上位に食い込むほどの存在感を示している。
日本へは2007年3月に上陸した。当初は1.6リッターの4気筒エンジンを軸に、自然吸気とターボが用意され、新車価格は220万円台からという設定だった。ボディは3ドアと5ドアのハッチバックに加え、ワゴンのSW、そして電動格納式ハードトップを備えたクーペカブリオレの207CCへと広がっていく。CCは2007年6月に日本でも発売され、開放感とクーペの一体感を一台で味わえる存在として人気を集めた。スポーティな性格を強めたGTやGTiには、1.6リッターのターボが積まれていた。
2009年9月には5ドアハッチバックがマイナーチェンジを受け、内外装の意匠を手直しし、装備の充実とグレード整理がはかられた。続いてSWやCCにも同様の改良が及び、フロントまわりの表情やインテリアの加飾が改められている。
207は2012年に登場した208へとバトンを渡し、一代で役目を終えた。現行のプジョーと比べると装備や燃費の面では世代の差を感じさせるものの、無理のない価格でフランス車の乗り味や、CCのような遊び心のある一台に触れられる点は、いまも中古市場での魅力として残っている。フランス車に初めて関心を持った人が、その世界をのぞいてみるきっかけになりうる世代だ。
| ボディサイズ | 全長4,045 × 全幅1,748 × 全高1,472mm |
| エンジン | 1.4・1.6L 直4(1.6ターボ含む) |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 5名 |
※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)
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