206

カタログ

PEUGEOT 206

#206

世界で1,000万台以上を売った、プジョー大躍進の立役者。猫足と呼ばれるしなやかな足まわりと愛嬌あるデザインで、日本でも輸入コンパクトの定番になった。WRCでも一時代を築いた。

クルマの解説を読む(特徴・歴史)

プジョーのコンパクトハッチバックとして、1990年代末の輸入小型車市場に大きな存在感を残した一台が206である。丸みを帯びたボディに切れ長のヘッドランプを組み合わせた愛嬌のある顔立ちは、無骨でも華美でもない、肩の力の抜けたフランス車らしい佇まいをまとっていた。手頃な価格でありながら、内外装やしなやかな足まわりにヨーロッパ車ならではの味わいが感じられ、おしゃれな小型車という印象を日本で広く定着させた。

206は1998年9月のパリサロンで、名車として知られた205の後継として発表された。注目すべきは、このモデルからプジョーがデザインを社内のチームで手がけるようになった点で、長く外部のカロッツェリアに頼ってきた流れが転換した世代でもある。生産は本国で1998年から続けられ、後年はアルゼンチンやブラジル、イランといった地域で欧州での生産終了後も作られ続けた。

世界市場での成功は際立っていた。206はプジョーの歴史上もっとも売れたモデルであり、累計の販売はおよそ830万台に達したとされる。うち欧州だけでおよそ510万台を数え、2001年から2003年にかけては欧州で最も売れたスーパーミニの座にあった。モータースポーツでも、ベース車から仕立てた206 WRCが2000年から2002年まで世界ラリー選手権のマニュファクチャラーズタイトルを3年連続で獲得し、マーカス・グロンホルムが2000年と2002年にドライバーズチャンピオンに輝いている。ブランドの黄金期を象徴する一台だった。

日本へは1999年に上陸した。200万円を下回る価格から設定された買いやすさが受け入れられ、2000年代の初頭には年間1万台以上をコンスタントに記録。プジョー・ジャポンの年間販売が1万台を超える原動力となり、累計でおよそ5万台を販売したとされる。3ドアと5ドアのハッチバックを中心に、電動開閉式のメタルルーフを備えたコンバーチブルのCC、ワゴンのSWといった多彩なボディが用意され、エンジンは1.4リッターから2.0リッターまでの直列4気筒が組み合わされた。2003年10月には2.0リッターに5速MTを積み、WRCの空気をまとった3ドアのスポーティモデル206 RCも加えられている。

中古車市場では、登場から四半世紀を経てなおファンの多い小型車として知られる。最新の安全装備や電動化とは無縁の世代だが、軽快な走りと素朴な可愛らしさは、いま振り返っても古びていない。フランス車に初めて触れてみたいと考える人にとって、当時の空気ごと味わえる入り口のような存在であり続けている。

基本情報(スペック)を見る
ボディサイズ全長3,835 × 全幅1,652 × 全高1,430mm
エンジン1.4・1.6・2.0L 直4
駆動方式FF
乗車定員5名

※スペックは当時の代表的なグレードの概略です(編集部調べ)

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